アメリカの田舎で暮らしています

年下夫と猫のここちゃんとの暮らし。ジョージア州でRN(看護師)してます。

仕事の話し 殺人現場かと思ったわ

こんにちは、ちいです。

 

病院で出会う患者さん、ほんとに色んな人がいて、術後の混乱や認知症などで、こちらの言う事を理解できない人いれば、暴れる人もいます。

でも、患者さんが暴れるから、と言う理由で体をベッドに縛り付けるような、身体拘束をするのはアメリカの病院では許されていません。日本ではどうなんでしょう?

が、点滴や胃ろうなどの医療器具を引き抜いてしまうリスクが高い患者さんは、腕を拘束したり、足を動かしちゃいけないのに状況が理解できなくて動かしてしまう可能性が高い場合は足を拘束したり、という事はあります。(足を拘束する場面に出会ったことはまだないけれど)

でも、医療器具を引き抜いてしまうリスクが高い患者さんに対しても、腕を拘束する前に、まずはミトンと言われるオーブンミットのような、指が分かれていない分厚い手袋みたいなものを患者さんの手にはめてみて、指が自由に使えない状態で様子をみる、って言うのが、少なくともわたしの勤務する病院では一般的です。指が使えないから医療器具を引き抜けないはずだし。

 

 

 

この日出会ったある担当患者さん(仮にAさんとします)は、必ずしも混乱しているわけではないんだけど、血液検査の値も良くないし、とりあえずこっちの言う事は全然通じないし伝わらない人でした。点滴の針も既に何回も引き抜いてしまっているし、それが理由でミトンも両手にはめられているんだけど、口と歯を使ってミトンを取って、口で点滴の針を引き抜く人でした。(口でミトンを取ってしまう人は少なくありません。皆さん器用なんです・・・泣)

 

30床の病棟で一番目が離せない患者さん、と聞いていたので、しょっちゅう様子を見にAさんの部屋に行ってはいたんですが・・・

 

 

他の患者さんに薬を投与し終わって廊下を歩いていると、Aさんの部屋の入口に同僚の看護師がいて、”Aさんを担当してる看護師は誰?”と大声でナースステーションにいる受付に聞いているのが見えました。

 

Aさんの担当はわたしだけど!と言いながら同僚の看護師に近づくと、Aさんの点滴はどこだった?と。

何ごと?と思いながら同僚と一緒にAさんのところに行ってみてびっくり。

 

血だらけ・・・

 

きっと口でまた点滴の針を引き抜いたAさん。同僚は、まだそこから出血してるかもしれないから止血しないと、と思って点滴の位置をわたしに聞いてきたわけです。

幸いにも既に血は止まってましたが。

 

が。

床には血が垂れてるし、ベッド柵にもガウンにも血がいっぱいついてるし、きっと口で針を抜いたせいで、顔中血だらけ。

 

顔を拭いて、血が付きまくってるガウンを新しい物に替えて、シーツも新しくして、ベッド柵と床を拭いて。

Aさんが綺麗になった後で、血だらけのAさんに気が付いて綺麗にするのを手伝ってくれた同僚と顔を見合わせて思わず笑ってしまいました。

殺人現場みたいだったね、って。

 

点滴の針を引き抜いちゃう人は珍しくないし、シーツやガウンに血が付く事も全然驚く事じゃないけど、あんな風に顔中が血だらけになってる人をみたのは初めてでした。

 

Aさんは、暴れるタイプの人ではなくて、寝てる事も多いし、静かにゆっくり口でミトンを取ったりするから、血まみれになりながら寝てる姿がほんとにドラマや映画の殺人現場みたいで。

 

 

確かこの日は点滴の針をAさんが抜く、わたしが新しいのを刺す、Aさんが抜く、わたしが刺す、ってのを3回位繰り返したかな・・・泣

点滴の針を隠すように、上から包帯を巻いたりしても、器用に包帯はそこに残したまま点滴だけ抜くAさん・・・酸素の管も噛み千切ってたし。

 

忙しい一日でした 泣

 

 

 

 

あー、明日から初の4日連続勤務です・・・ 12時間x4日間なんてすごい体力使うので、そんな希望は出してないし、何でこんな事に・・・って気持ちでいっぱいなんですけど。

どの患者さんを担当する事になるのか、入退院はあるのか、どの夜勤看護師から患者さんを引き継ぐことになるのか、でどんな4日間になるのかがだいぶ変わってくるので、今からドキドキしてます。

無事に終わりますように。