アメリカの田舎で暮らしています

年下夫と猫のここちゃんとの暮らし。ジョージア州でRN(看護師)してます。

仕事の話し 刑務所からの患者さん

こんにちは、ちぃです。

 

日本では刑務所が近くにある場所で暮らしていなかったので、日本の事情は分からないんですが。

 

日本で服役中の人が体調悪くなったり、手術が必要になるような状況になったら、どうやって治療を受けるんでしょうか?

 

 

アメリカでは、服役中の人たちは普通に一般の病院に搬送されてきます。刑務所にも看護師はいるし、刑務所によってはinfirmary bedsと呼ばれるただ薬を投与するだけじゃなくて、術後等のもうすこし手当てが必要な人たちが過ごす場所もあるみたいなんですけどね。

 

初めて病院の外来用の廊下に、囚人服を着て手足に手錠をかけられてる人が座ってるのを見た時は、一体何ごと?とびっくりしました。

 

今となっては刑務所からの患者さんにもすっかり慣れてしまって、全く驚く事はなくなってしまったけれど。警察官1人もしくは2人が常に病室に患者さんと一緒にいるので、わたし達が危険だと感じる事は全くありません。

病室で過ごす間もずっと手足に手錠をかけたままで過ごしてます。ただ、メタルのいわゆる手錠だと痛いからなのか、病室にいる間は、プラスチックの柔らかめの手錠につけかえてくれる刑務所もあります。患者さんがどこの刑務所から来たのか、というのはその時に報告を受けるけれど、いちいち気にしていません。付き添う警官の数とか、手錠を柔らかいものに付け替える、とか、その辺の事は刑務所によって違うんですが、一体この辺りにはどんだけ刑務所があるんだろうでしょうね。州の刑務所とか、郡の刑務所とか、たくさんです。

 

一体何をやってしまって服役してるんだろう・・・?と思う事も最初の頃はありましたが、それはやっぱり聞いちゃいけない、と言うか、興味本位で聞くような話しじゃないんだろうな、と思うので、聞いた事はありません。

 

理不尽なレベルでわがままな事を言う患者さんも決して少なくない中で、刑務所からの患者さんはわがままな事を言う人は今まで出会った人の中では一人もいなかったし、むしろ、ラッキーと思ってしまうかも 笑 

病院食に文句を言う患者さんもたくさんいる中で、刑務所からの患者さんは比較的喜んで食べてくれるし、なんならおかわりが欲しいって言う人もいるし 笑 

 

 

退院する事になった患者さんは、プラスチックの手錠を再びメタルの物に付け替えて、背中にでっかく刑務所の名前が入った囚人服に着替えて、護送車に向かいます。囚人用の特別な出口があるわけではなく、普通に病院の中を車いすで護送車まで送って行くんですが、護送車まで向かう途中、他の入院患者さんや付き添いの人とすれ違っても、誰も振り返ったりしないし、驚いた顔もしないし、刑務所の存在が身近というか、生活に溶け込んでいる?というか、何の反応も見せない事が違和感、というか。

でっかく刑務所の名前が入った護送車も、一般のお客さんの車に混ざって入口に停められてるし。

 

 

日本でも、刑務所の近くの病院で働く人はひょっとしたら同じような感じなのかもしれないけど、アメリカの病院で働いて、ビックリした事の一つです。